軸受(ベアリング)

軸受(ベアリング)の種類ってどんなものがあるの?

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軸受(ベアリング)の種類ってどんなものがあるの?

深溝玉軸受や円筒ころ軸受など用途によって色々あります。

 

<この内容の解説者>

ぎじゅやま
ぎじゅやま
【経歴】元軸受メーカー技術者。現在は、自動車部品メーカー技術者。

【専門】軸受、材料力学、金属材料(熱処理)

<詳細解説>

細かく分類すればもっとありますが、簡単に分類すると下記の7種類です。

  1. 深溝玉軸受
  2. アンギュラ玉軸受
  3. 円筒ころ軸受
  4. 針状ころ軸受
  5. 円すいころ軸受
  6. 自動調心ころ軸受
  7. スラスト軸受

 

各軸受の構造と特徴を簡単に説明します。

深溝玉軸受は、基本の軸受です。

後述する軸受は、同サイズの深溝玉軸受を比較対象としています。

 

1. 深溝玉軸受

 

 

 

基本の軸受です。内輪と外輪に深溝があり、その溝を玉が転がります。

【構造】

  • 転動体が玉
  • 軸受の基本構造

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能
  • アキシアル荷重・・・両方向負荷可能

 

2. アンギュラ玉軸受

 

 

 

接触角を設けることにより、高アキシアル荷重を受けることができます。

【構造】

  • 転動体が玉
  • 接触角あり
  • 2個対向して使用
  • 軸受内部すきま(予圧)の管理が必須

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能
  • アキシアル荷重・・・一方向負荷可能(高負荷可能)

 

3. 円筒ころ軸受

 

 

 

転動体をころにすることにより、高ラジアル荷重を受けることができます。

ころは、円柱形状をしており、側面で荷重を受けます。

【構造】

  • 転動体がころ

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能(高負荷可能)
  • アキシアル荷重・・・負荷できない(内外輪どちらかに、つばを付ければ負荷可能)

 

4. 針状ころ軸受

 

 

転動体を針状ころにすることにより、小さなスペースでラジアル荷重を受けることができます。

針状ころは、ころ径が小さく、円筒ころ軸受に比べて数多くのころを組み込んでいます。

【構造】

  • 転動体が針状ころ

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能(高負荷可能)
  • アキシアル荷重・・・負荷できない
  • 小スペース

 

5. 円すいころ軸受

 

 

 

転動体を円すいころにすることにより、高ラジアル荷重と高アキシアル荷重を受けることができます。

【構造】

  • 転動体が円すいころ
  • 接触角あり

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能(高負荷可能)
  • アキシアル荷重・・・一方向負荷可能(高負荷可能)

 

6. 自動調心ころ軸受

 

 

 

外輪に球面の軌道面があり、転動体を球面のころにすることにより、軸がたわんでも自動で調心します。軌道の円弧の中心は軸受の中心と一致しているためです。

転動体を組み込むことができるため、高ラジアル荷重を受けることができます。

【構造】

  • 転動体が球面のころ
  • 外輪に球面の軌道面

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能(高負荷可能)
  • アキシアル荷重・・・両方負荷可能

 

7. スラスト軸受

 

 

 

転動体が玉ところがあり、玉の場合、スラスト軸受。ころの場合、スラストころ軸受と呼びます。

深溝玉軸受を内輪と外輪に深溝があり、その溝を玉が転がります。

【構造】

  • 転動体が玉及びころ

【特徴】

  • ラジアル荷重・・・負荷可能(高負荷可能)
  • アキシアル荷重・・・負荷できない

 

ここで追加知識

転動体が無い軸受もある?

軸受には、転動体がない「すべり軸受」があります。

主に、樹脂や焼結金属で成形します。

外径が小さいため、省スペースで済みます。

 

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