技術士試験

令和2年度技術士第一次試験問題解答(機械)11

LINEで送る
Pocket

令和2年度技術士第一次試験問題解答(機械)11

【正答番号:②】

 

<この内容の解説者>

ぎじゅやま
ぎじゅやま

【経歴】元軸受メーカー技術者。現在は、自動車部品メーカー技術者。技術士一次試験(機械)合格。

【専門】軸受、材料力学、金属材料(熱処理)

<問題>

下図のようなフィードバック制御系を考える。ここに,X(s), Y(s)はそれぞれ入力出力である。伝達関数G(s) が

$$G(s)=\frac{2s+1}{s^2+s+1}$$

の制御対象に対して,次式の制御装置 K(s)を設計する。

$$K(s)=k_1s+k_0$$

閉ループ系の極を-2/3と-1に配置して,系を安定化するための係数k0, k1の組合 せとして,最も適切なものはどれか。なお,閉ループ系の特性方程式は次式で与えられる。

$$1+K(s)G(s)=0$$

① k0=4, k1=5

② k0=5, k1=4

③ k0=-5/7, k1=-2/7

④ k0=5/7, k1=2/7

⑤ k0=-2/7, k1=-5/7

令和2年度技術士第一次試験問題解答(機械)11【正答番号:②】

出典元: 公益社団法人日本技術士会

解説

制御の問題です。まず、制御システムの安定性について思い出しましょう。

特性方程式の解のことをといいます。

そのため、問題文の閉ループ系の極-2/3と-1とは、

\(s=-\frac{2}{3}\), \(s=-1\)の両条件で特性方程式が成り立つということです。

 

【条件1】\(s=-\frac{2}{3}\)のとき、

問題文中より、特性方程式が\(1+K\left(s\right) G\left(s\right)=0\)なので、

\(1+K\left(-\frac{2}{3}\right) G\left(-\frac{2}{3}\right)\)・・・①

\(K\left(-\frac{2}{3}\right)=-\frac{2}{3}k_1+k_0\)・・・②

\(\displaystyle G\left(-\frac{2}{3}\right)=\frac{2\left(-\frac{2}{3}\right)+1}{\left(-\frac{2}{3}\right)^2+\left(-\frac{2}{3}\right)+1}\)

\( G\left(-\frac{2}{3}\right)=-\frac{3}{7}\)・・・③

①式に、②、③式を代入すると、

\(1+\left(-\frac{2}{3}k_1+k_0\right)\left(-\frac{3}{7}\right)=0\)

\(1+\frac{2}{7}k_1-\frac{3}{7}k_0=0\)

\(7+2k_1-3k_0=0\)・・・①’

 

【条件2】\(s=-1\)のとき、

問題文中より、特性方程式が\(1+K\left(s\right) G\left(s\right)=0\)なので、

\(1+K\left(-1\right) G\left(-1\right)\)・・・④

\(K\left(-1\right)=- k_1+k_0\)・・・⑤

\(\displaystyle G\left(-1\right)=\frac{2\left(-1\right)+1}{\left(-1\right)^2+\left(-1\right)+1}\)

\( G\left(-1\right)=-1\)・・・⑥

④式に、⑤、⑥式を代入すると、

\(1+\left(-k_1+k_0\right)\left(-1\right)=0\)

\(1+k_1-k_0=0\)・・・④’

 

あとは、①’式と④’式の連立方程式を解くだけです。

④’式を\(k_0\)に関する式に変換すると、

\(k_0=1+k_1\)

①’式に代入して、

\(7+2k_1-3\left(1+k_1\right)=0\)

\(2k_1-3k_1=-7+3\)

\(k_1=4\)

\(k_0=1+4=5\)

 

よって、正解は「②」です。

 

この問題で問われていることは?

制御システムの安定性を理解しているか。

制御システムの安定性を判別する方法として、特性方程式の極から考えることができます。
閉ループ伝達関数のすべての極の実部が負であるときにシステムは安定となります。
逆に、1つでも正があると、そのシステムは不安定となります。

LINEで送る
Pocket

-技術士試験

© 2026 技術の山