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令和2年度技術士第一次試験問題解答(機械)01
令和2年度技術士第一次試験問題解答(機械)01
【正答番号:②】
【正答番号:②】
<この内容の解説者>
ぎじゅやま
【経歴】元軸受メーカー技術者。現在は、自動車部品メーカー技術者。技術士一次試験(機械)合格。
【専門】軸受、材料力学、金属材料(熱処理)
<問題>
A群の材料の力学的性質について,これらを評価するための適切な試験がB群にな いものはどれか。
A群
①縦弾性係数、②硬さ、③延性一脆性遷移温度、④降伏点、⑤S-N線図
B群
引張試験, 疲労試験, クリープ試験, シャルピー衝撃試験, 破壊靭性試験
【正答番号:②】
出典元: 公益社団法人日本技術士会
解説
まず、B群の試験で得られる性能は下記の通りです。
引張試験・・・①縦弾性係数、④降伏点
疲労試験・・・⑤S-N線図
クリープ試験・・・伸び、クリープ線図
シャルピー衝撃試験・・・③延性一脆性遷移温度
破壊靭性試験・・・破壊靭性値
よって、B群の試験で得られない性能は、「②硬さ」です。
硬さ測定で有名なもので言えば、ビッカース硬さ試験やロックウェル硬さ試験でしょう。
各試験の概要
- 引張試験
試験片の両端をつかみ、試験片が破断するまで引っ張ります。その時のひずみと応力のグラフ(応力ひずみ線図)を作成し、ヤング率(縦弾性係数)や降伏点を求めます。 - 疲労試験
供試体に繰り返し荷重を加えます。多くの材料の疲労限度である107回くらい回繰り返す。その時の繰り返し数(N)と応力振幅(S)のグラフ(S-N線図)を作成し、疲労限度を求めます。 - クリープ試験
一定の荷重をかけ、時間とともに増加するひずみを測定します。 - シャルピー衝撃試験
切欠きを入れた試験片にハンマーを振り下ろし、試験片を破壊するために要したエネルギーと試験片の靭性を求めます。 - 破壊靭性試験
き裂を入れた試験片に力を加え、試験片が破壊するまで力を加えます。その時の温度やひずみから破壊靭性値を求めます。
この問題で問われていることは?
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製品の信頼性データを得るための試験項目を知っているかどうか。
開発した製品の信頼性を得るためには、いくつもの試験が必要です。多種多様な試験を実施し、データを集め、お客様に安心して使用してもらいましょう。